登場人物
たい焼(粒あん)
中身にあんこを入れて焼き上げた王道のたい焼。トレンドに敏感。
たい焼(カスタード)
中身にカスタードを入れて焼き上げた、もうひとつのたい焼。
原田リーダー(商品開発本部 デイリー商品部 原田)
店舗販売・冷凍食品バイヤーを経て2025年春に着任。根っからの食べ歩き好き。
プロローグ 目指したのは、ひとくち目の「パリッと食感」と「あんこ到達」
トップバリュの冷凍食品のなかで、和スイーツとして長く親しまれている「たい焼」。ロングセラー商品ではあるものの、開発担当の原田リーダーのもとには、「専門店で食べるような本格的な和スイーツが食べたい」というお客さまの声が多く届いていた。
原田リーダーは、たい焼屋の食べ歩きにハマり中。長年親しまれている名店など、都内6店舗を食べ歩いたところだった。開発中は毎食のようにたい焼を食べ、そうしているうちに、街のたい焼に共通した特長に気づく。
街の名店で食べられるたい焼は、パリッとした薄皮と、ひとくち目からあんこを味わえることが魅力だと思うんだ。
僕はどちらかというともっちりした食感だけど、そんな風になれるかな?
原田リーダーは考えた。冷凍のたい焼はこれまでもリニューアルを繰り返してきたロングセラー商品。だが、今回はさらに、電子レンジで温めるだけで、街のお店で購入したようなたい焼を目指してみたいと。
街のたい焼屋さんで味わったあの「パリッとした薄皮」と「ひとくち目からあんこそのものを食べている感覚」を、冷凍たい焼でも実現しよう!
たい焼(粒あん)
ワクワク。
ステージ1 生地編~レンジで温めてもサクッと軽い生地を実現せよ!
電子レンジで温めると、食材の水分が水蒸気になって外へ出ていく。その水蒸気がこもって蒸らされると、軽い食感には仕上がりにくいといわれている。
冷凍たい焼の場合も電子レンジで加熱する必要があるため、ふんわりした香ばしさを作るのは至難の業。これまではもっちりした生地にするための原材料の組み立てをしていたが、変える必要があった。
原田リーダー
生地は小麦粉をベースにして、サクッとした香ばしさを加えよう。
しかし、実際に試すと、「パサつく」「生地が重すぎて、1匹食べきれない」「皮を食べている感じが強い」といった課題が浮上。原田リーダーは、小麦粉とデンプンなど原材料の配合割合を工夫することでパサつきの問題を乗り越え、小麦粉をベースに、薄く仕上げた皮をつくった。
たい焼(粒あん)
もちもちの生地が好評だったけど、薄皮の僕もカッコいいね。
原田リーダー
ふんわりとした生地感で、口当たりもサクッと感があるね。電子レンジで温めたあと、オーブントースターで焼けば、さらに皮がサクッと仕上がるよ。
ステージ2 あんこ編~小豆の風味を生かし、頭からしっぽまでぎっしりあんこを詰めよ
トップバリュのアンケートでは、あんこが好きな方が一番に選ぶのがたい焼。「しっぽまであるのが幸せです」という声も、たくさん届いていた。
たい焼(粒あん)
ひとくち目からあんこを感じてもらえるようにならないとね。
原田リーダー
任せて!とにかく、頭から尻尾の先まであんこを詰めるよ。
原田リーダーは奮起し、中身のあんこの割合を大幅に増加。製造委託先にも協力してもらい、皮とあんこのバランスも確かめながら試作を重ねた。そして、どこから食べてもムラなく、ひとくち目であんこが口に入るように仕上げた。
たい焼(粒あん)
こんなにあんこたっぷりだと、食べ応えがスゴいね。
原田リーダー
今回、あんこは小豆の煮汁をしっかり吸わせる製法を取り入れて、甘さを抑えながらも小豆本来の香りと旨味をしっかり感じられるようにしたんだ。あんこをぎっしり詰め込んでも、最後まで飽きずに食べきってほしいからね。
こうして「どこから食べてもあんこを楽しめる比率」と「最後まで食べ飽きない味」を追求し、目指した理想のバランスを形にしていった。
たい焼(粒あん)
うん、ひとくち目から、あんこそのものを食べているみたい!
あんこを今川焼と共有したり、製造委託先と工夫を重ねたりした結果、おいしさはもちろん、気軽に手に取りやすいお手ごろ価格になったよ。
ステージ3 もうひとつのたい焼と今川焼もレベルアップせよ!
驚きの変貌を遂げた、「たい焼(粒あん)」を、「白いたい焼」が羨ましそうに見つめている。
私も変わりたい…。白いたい焼は「もっちり感がすごい」「中のクリームの味も濃くて気に入りました」と好評だったの!でも、「1匹食べると、ちょっと重くて」といわれることもあって…。
2026年10月まで発売していた「白いたい焼」
白いたい焼が流行してから10年以上が経過。トレンドは少しずつ変わり、お客さまのニーズも変化していた。原田リーダーは街のたい焼屋で出会った、甘さ控えめでコクのあるカスタードクリームを思い出した。
クリームの甘さが先に立つと、重く感じることがある。甘さを控えて、卵と乳のコクが先に感じられるように改良しよう。
そして生地はおやつに食べるファミリー層や若い世代に人気の「ふんわり・もっちり」食感を出すなど、粒あんとは違う良さを打ち出す方向でリニューアルした。
「白いたい焼」から「たい焼 カスタードクリーム」に変わり、名前も、皮も、カスタードクリームも、新しく生まれ変わった。
思い切って生地もクリームも変えてみたよ。これなら、最後までおいしく食べてもらえるはず!
スイーツらしさを家族で楽しんでもらいたいわ!実は私、自然解凍でもおいしく食べられるから、ぜひためしてみてね。
一方、今川焼は…。
たい焼くんたち、すごいなぁ。僕たちはあんことカスタードでお店にならんでいるけど、新しい仲間が加わったら、注目されるかも。例えば、「はちみつ」を使ってみるのはどうかな?
はちみつ、おいしそう。街の今川焼屋さんでよく見かけるクリームチーズとはちみつを合わせてみよう!はちみつのやさしい甘さに、クリームチーズのほのかな塩味とコクが合わさることで、くどすぎない甘さになるよ。
せっかくだから、お子さまから大人まで食べてほしいな…みんなが大好きな「くまのプーさん」デザインの新商品を登場させたい!
そうして出来上がったのが、ほのかなはちみつの香りが漂う、後味がスッキリとしたクリームが特徴の「プーさん」の焼印がついた今川焼だ。
すごく良い感じ!ただ、僕って意外にナイーブだから、生地がちゃんと仕上がるか心配だなあ。
今川焼の生地は繊細で、気温や湿度の影響を受けやすいんだ。泡立てや混ぜる工程はベテラン職人による「熟練の技」が頼りの作業で、それが年間を通じて変わらない品質を支えているんだよ。もっちり生地と焼印も楽しんでね。
エピローグ 届いた声、これからも
そして迎えたデビューの日。3つの商品を実際に食べてもらったところ、お客さまからは「好評」の声が届いた。
『小豆の風味がしっかりと感じられ、甘さが程よくておいしい』だって!僕が頑張りたいと思った生地の軽さも喜ばれているみたい。
たい焼(カスタード)
『生地がモチモチで歯応えがあり、甘さ控えめなクリームとの相性がいい』ですって!
『甘くて濃厚なクリームがおいしく、はちみつの香りも豊か』『かわいいキャラクターの焼き印が入っていて、楽しく食べられる』という声をもらったよ。
願っていたことが届いてうれしいね!温めても焼いても冷やしてもおいしい、日常のなかで幸せを感じてもらえる存在になってね。
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