登場人物
そうめん
多くの家庭の夏を支える、トップバリュの大人気乾麺。自らの良さを追求し、さらなる高みを目指している。
商品開発本部 グロサリー商品部:有田(以下、アリタ指揮官)
お菓子の開発を経て2024年に加工食品担当へ。麺類を幅広く手掛け、そうめんが持つポテンシャルを誰よりも理解している。
プロローグ “機械でつくる麺”ならではの良さを探し求めて
夏になると、食卓にはそうめんが並ぶ機会が増える。暑くて食欲が落ちていてもするっと食べることができて、特別なごちそうじゃないけれど、なくなると困る存在だ。
そうめん
僕らは夏にすごく食べてもらっていて、圧倒的なコストパフォーマンスも自慢!だからこそ、日々の食卓に出してもらうものとして、安心して選んでもらいたいんです。
しかし、正直に言うと、すべてのお客さまから「おいしい」と評価されている商品ではない。実際に、ホームページのレビューでも評価は分かれる。その声の一つひとつが、簡単には流せなかった。だからこそ、どこを目指すかを決める必要があった。
アリタ指揮官
実は数年前に、「おいしくない」「コシがない」という厳しい声をいただいたことがあったんだ。ショックだったけれど、それだけ期待されている商品なんだということも感じたよ。
そうめん
僕、お客さまの期待に応えたいです!
そうだね。一緒に機械でつくる麺としての良さを、とことん追求していこう。
ステージ1 真空がカギ!油を使わずに「つるり」を生み出せ
そうめんは、油を使いながら手で麺の生地を引き延ばしてつくる「手延べそうめん」と、生地を機械のローラーで延ばして切る「機械製麺」という、2つの異なる製法がある。トップバリュの「つるりと滑らかなのどごしそうめん」は後者。一般的には、職人の手仕事で作る「手延べそうめん」が注目されがちだ。
機械製麺の良い点は、安定生産ができて、リーズナブルな価格で気軽に楽しめること。麺の太さが均一というのも強みだ。
あとは、お客さまがそうめんを食べて、のどを通るときの“つるり”とした滑らかさも手に入れたい!
そうめんの滑らかさは、何から生まれるか。手延べそうめんの場合、生地の乾燥を防ぐために植物油などを塗る。これが、麺の表面の滑らかさにもつながっている。一方の機械製麺は、生地をローラーで延ばして切るため、油を塗る工程がないので、滑らかさが生まれにくい。
滑らかさは食べたときにすごく大切だから、外せないポイントだ。
油を使わず、どうやって「つるりと滑らか」を実現させるか。機械を使用してつくる麺にとって、非常に難しい課題だった。
アリタ指揮官は製造委託先と試行錯誤した結果、新しい“機械”の導入を決める。
アリタ指揮官
「真空ミキサー」という機械を使うよ。麺の生地をこねるとき、ミキサーの中を真空状態にして空気を抜くと、空気が抜けた部分に水分が入り込んで、小麦粉と水の結びつきが強くなるんだ。
麺の食感を左右するのが、小麦粉と水をこねることで生まれる“グルテン”。真空にすることでグルテンの密度が高まり、滑らかさに加えて弾力や歯切れの良さが向上する。
茹でた後ものびにくくなるし、いいことづくし!しっかりとしたコシが手に入りました。
ステージ2 天候の影響を見極めろ!職人による乾燥の“神”ワザ
機械を使って麺を製造する際、生地を練り上げた後は、乾麺として仕上げる「乾燥」の工程も機械によって行われることが多い。けれど、生地を一気に乾燥させると麺が割れたり、せっかくの食感が損なわれたりしてしまう。
僕ら、実はすご~く繊細なんです。機械で常に同じ状態で乾燥させると、うまくいかないこともあって…。
機械の場合は、気候に合わせて微調整するのが難しいからね。この工程だけはそうめん作りを熟知した製造委託先の職人に託そう。日ごとの風の量や湿度に合わせて、君たちが一番良い状態で乾燥するように職人に調整してもらうんだ。
繊細な領域を調整してくれる職人の手は、僕らにとってまさに“神”!1mmという細さの機械麺がつくれる理由でもあります。
機械による緻密な管理と、職人の確かな目利き。これらの連携による丁寧な管理が、トップバリュのそうめんの品質を支えているのだ。
ステージ3 冬からの準備で夏のピークを乗り切れ
そうめんに課せられた最大のミッションは、決して「夏に品切れ」させないこと。お客さまが「食べたいと思って買いに行ったら、店頭に商品がなくて困っている」という状態には、絶対にしてはならない。
年間400万個超という売上の大半は、夏に集中する。この爆発的な需要に応えるには、売上が落ち着いている冬のうちから準備を始める必要があった。
担当を引き継いだとき、この膨大な量の管理にはプレッシャーを感じたよ。でも、1年を通じて計画的に製造することには、大きな意味があるんだ。
トップバリュでは、夏直前に生産量を増やすのではなく、年間でそうめんを計画的に製造する仕組みを作っている。冬から分散して生産することで製造のムダを減らし、品質と手に取りやすい価格の両立が可能に。さらに乾麺は、一定期間落ち着かせる時間を設けることが重要なのだ。
作りたてを出荷するのではなく、製造してから一定期間、適切な環境で寝かせることで、麺の中の水分が全体に均一になじむんだ。これによって状態が安定し、麺が“落ち着く”ことでコシが増すんだよ。
時間を置くことで、僕らはもっとおいしく食べてもらえるようになるんです!
このサイクルがあるから、夏になったらいつもの場所にいつものそうめんを並べておける。それが、いちばん大事なことだと思っているよ。
夏も本番です。今年も皆さんのもとへ、つるりと滑らかなのどごしを届けに行きますよ!
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