うなぎ業界の革命児になる!“めすうなぎ”を全国へ届ける「うなくい~ん」

夏の風物詩「土用の丑の日」の食卓が変わるかもしれません。国産うなぎの価格が高騰し続けるなか、養殖うなぎの9割以上が「おす」という常識を打ち破り、脂がのった「めす」にこだわった開発担当・広瀬。“めすうなぎ”の蒲焼き「うなくい~ん」の誕生について語ります。

【バリュを込めた人】

商品開発本部 水産商品部:広瀬

養殖うなぎの新たなポテンシャルは「めす」にあり!

うなぎは、育つ環境によって性別が決まるという特殊な生態を持っています。特に養殖の環境下では、9割以上が「おす」に成長。外見から性別を見分けることはプロでも至難の業です。

養殖うなぎといえば「おす」という考えが一般的となっていたなか、広瀬が「めす」のうなぎの存在を知ったのは2019年ごろ。愛知県水産試験場が、「めす」の養殖技術を開発しているというニュースを耳にしました。長年、水産業務に携わってきた広瀬は、その瞬間に身震いしたといいます。

「(広瀬)養殖うなぎの『めす』は希少であまり知られていませんが、格別な味わいだと聞いていて、ずっと気になっていました。このうなぎを世の中へ出せれば、注目を浴びるのではないかと

しかし、当時は事業として実現しませんでした。広瀬が製造委託先へすぐに問い合わせたものの、「商業ベースにのるのはまだまだ先」という回答でした。

それでも広瀬は、「商業化の際はぜひトップバリュで」と、ラブコールを送り続けました。単に商品を待つのではなく、研究の進捗を常に追いかけ、その時を待ったのです。

「なんだこれは!」一口で概念を書き換えた“めすうなぎ”の衝撃

広瀬が待ち望んでいた「その時」は、とある食品展示会で訪れました。ようやく形になった“めすうなぎ”の試食です。

「(広瀬)口に入れた瞬間、『なんだこれは!』と叫びそうになったほど。脂が多くふっくらやわらかいのに、口当たりが予想外にさっぱりとしていて、圧倒的においしかったんです。今までのうなぎとは違うという衝撃がありました」

うなぎ稚魚の不漁による価格高騰で、うなぎは「年に一度の贅沢」になりつつありました。だからこそ、一口で違いがわかる「めす」の際立った味わいは、お客さまの期待に応え、「また食べたい」と思っていただける新しい価値になると広瀬は確信しました。

一人では辿り着けなかった。想いが詰まった名前「うなくい~ん」

「(広瀬)『めすうなぎ』という言葉は聞きなれない印象がありますし、めすというと女性をイメージされる方もいるかもしれないと思い、少し躊躇していました。けれど、製造委託先から『めすとはっきりうたって、素晴らしい特徴があることを伝えよう』と言われ、ハッとしたんです」

もちろん、うなぎの性別は外見では判別が難しいため、確実に「めす」だけを商品として揃えられるのかという課題も。そこで、製造委託先でうなぎをさばく際に、一尾ずつ「めす」であることを確認する仕組みを導入。これによって、“めすうなぎ”として自信を持ってお届けできる体制が整ったのです。

また、「めす」をイメージさせる名称は、社内でも複数の候補が挙がっていました。各部署でアイデアを出し合い、社内アンケートをふまえた結果、「うなくい~ん」に決定。今までにないうなぎのおいしさ、やわらかさが直感的に伝わる名前にしました。

「(広瀬)女王を意味する『クイーン』を彷彿とさせるのがいいなと思い、私も一票投じました。名前を通じて、食べる楽しさや話題が広がってほしいという願いを込めています

おいしく食べて、資源を守る。「うなぎ文化」を食卓からつくる

「うなくい~ん」の挑戦はまだ始まったばかりだと広瀬は語ります。

これまでにも「めす」のうなぎを食用として提供する試みはありましたが、量が限られていたので、一部の事業会社でしか販売できませんでした。今年は販売数を増やし、販売網を全国へ拡大。頭付きのうなぎだけではなく、無頭タイプも準備しています。

「(広瀬)“めすうなぎ”の養殖という難題を成し遂げた研究者たちの情熱と、新しいうなぎのおいしさを全国へ届けるのが私の使命です。2025年は『どこで買えるのか』というお声も多くいただきましたので、2026年は取り扱う量を増やしました」

「うなくい~ん」には、トップバリュが国内のうなぎ養殖技術を支え、うなぎを食べるという文化を次世代へ繋ぎたいという想いも込められています。

「(広瀬)うなぎが少し苦手という方にもぜひ食べていただきたい。いつか“めすうなぎ”が当たり前になる日が来たら、それこそうなぎの常識が変わるんじゃないかと思っているんです」

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