【パッケージデザイン特集】おむつ替えの時間をもっと楽しく!「ベビーパンツ」の軌跡

パッケージは商品の”顔”。おむつのパッケージといえば、愛らしい赤ちゃんの写真を使用するのが長年の“定番”でした。その当たり前を見直し、トップバリュのパンツ型おむつ「ベビーパンツ」がパッケージも含めてより魅力的にリニューアル。毎日の慌ただしいおむつ替えを、「親子が笑顔で向き合う時間」に変えたい。担当がデザインに込めた想いの裏側に迫ります。

【バリュを込めた人】

ブランド&コミュニケーション本部 パッケージ制作部:工藤

 “赤ちゃんの写真”からの脱却!おむつ替えを楽しくしたい

トップバリュのパッケージデザイン担当(アートディレクター)は、商品の特徴や開発担当の想いを、パッケージの色・文字・イラストなど「視覚」でお客さまに伝える役割を担っています。

アートディレクターの一人である工藤は、2024年にパンツ型おむつ「ベビーパンツ」のリニューアルにあたりパッケージ制作を担当。今回も例に漏れず、始まりは商品開発担当者との入念な打ち合わせだったと振り返ります。

おむつのパッケージといえば、赤ちゃんの写真を大きく載せたものを思い浮かべる方も多いかもしれません。今回のリニューアルでは、そうした定番の表現から一歩踏み出すことがテーマのひとつでした。

「(工藤)定番の赤ちゃん写真を使わないことになり、『どうすればお客さまの購入意欲をかき立てられるか』が最大のテーマでした。それならイラストを主体にし、見たら親子でつい笑顔になるようなデザインで独自の魅力を生み出そうと

我が子をなだめながらのおむつ替えは、パパやママの心の余裕を奪いがち。慌ただしい日々のなか、1日に何度も繰り返す作業の大変さを、工藤自身も体験していました。

「(工藤)おむつ替えが大変な時間だからこそ、親子のコミュニケーションのきっかけになるように。そして、お求めやすさや習慣で選ばれるだけではなく、『子どもが喜んで履いてくれるから欲しい!』と指名買いされるパッケージを作りたかったんです

目指したのは絵本のような世界観!トップバリュの挑戦

数ヶ月の試行錯誤を経て完成したパッケージは、カラフルな動物や果物が散りばめられたデザイン。工藤や商品開発者を含むチームが目指したゴールは、「絵本」の世界観でした

「(工藤)子どもと笑顔で向き合っているのは、絵本を読んでいる時なんじゃないかって。だから、おむつ替えの時間が絵本を読み聞かせの時間のようになれば良いなと。またモチーフは子どもが大好きな動物を選びました」

パッケージには動物に加えて果物を潜ませ、「フルーツはど〜こだ?」といった遊びのシカケもプラス。そして「ベビーパンツ Lサイズ」では、「ピンク」をメインカラーに採用しています。ピンク色は、“男の子は好きではないのでは”という懸念から、男女兼用の商品では選びにくい色とされることもありました。

「(工藤)『ベビーパンツ』は性別問わず使うものなので、ピンク色ではなく、別色の案を作ることも考えていました。でも、男の子だってピンク色は好きなんです。そんな時、当時の開発部のマネージャーが『ピンクええやん』と。その言葉に背中を押され、自信をもって進めることができました」

ピンクが主体のパッケージ。店頭でもパッと明るく華やかな存在感を放っています。

パッケージに封入するおむつ本体の柄もランダムにし、開けて使うまでのワクワク感も演出。

「(工藤)とにかく、この商品を店頭で手に取ってから自宅で使い終わる瞬間まで、親子で楽しめる工夫を詰め込んでいます

動物と同じ色のフルーツを探してもらう仕掛けがプリントされています。

赤ちゃんの成長は早く、月齢や体格でおむつのサイズも変化が必要になります。「ベビーパンツ」はサイズ違いを3種類展開し、仕掛けにも変化をつけました。

「(工藤)『Lサイズ』と『ビッグサイズ』は共通で、動物と同じ色のフルーツを探してもらう仕掛け。『ビッグより大きい』はどの動物のおパンツなのかを探す仕掛けと、『ベビーパンツ』の裏面に尻尾を描き、履くと動物になりきれる仕掛けを加えています。作業量は増えましたが、お子さまの成長に寄り添い、お客さまの喜ぶ顔も増やせるはずだと皆でこだわり抜きました

自由に記名できるスペースを設けたこともこだわりのひとつ。保育園で子どもを預けるときには、手書きやスタンプなどで記名したおむつを持参するのが一般的です。

「(工藤)保育園にお子さんを通わせている同僚にヒアリングをし、おむつのどこに名前を書くのか、スペースはどのくらい必要なのか検証しました。『ベビーパンツ』では記入用の囲みを設けるのではなくて、空いたスペースに自由に名前を書き、スタンプを押せるようにしています

デザイナーと熱をぶつけ合う共創

「今までにないものを生み出すため、ベビー用品とは異なる分野の視点を取り入れたい」。そう考えた工藤は、生鮮食品のラベルや台所用品の企画品など、店頭で一目で魅力を伝えるデザインを得意とする会社を選びました。

「(工藤)デザイナーに詳細な指示書を渡してデザインを待つ、従来の手法もやめました。初期のラフスケッチの段階から共有してもらい、クリエイター同士として熱をぶつけ合いたかったんです」

デザイナーとは、無数の手描きラフ画を前に、自由な発想で議論を交わしました。方向性が決まった後も、アイデアが浮かぶたびにブラッシュアップ。そのひとつが、「ベビーのBが笑った顔に見える」というものです。これが、赤ちゃんが目を閉じて笑っている商品ロゴへとつながりました。

「(工藤)Bの下の穴を時計まわりに回転させると笑った顔にみえると説明して。パッケージの親しみやすさ、楽しさがアップするようにアイデアを盛り込んでいきました

デザイナーとのやり取りの一部。細かな修正の跡が見える。

お客さまの反響を力に。時代を捉え続けるデザインへの想い

こうして熱量を注ぎ込んだ新しい「ベビーパンツ」が全国の店舗へ。工藤は発売後、新しいデザインが受け入れられるのか不安だったと振り返ります。

「(工藤)内心ビクビクしていました。でも発売後に『デザインがかわいい!』『おむつ替えの時に子どもが喜ぶ』というお客さまの声が届いて、胸が熱くなりましたね」

日々の何気ないおむつ替えを、笑顔があふれる時間に変えたい。願いを込めたパッケージデザインは「赤ちゃんのおしりふき」にも取り入れられ、親子のおむつ替えの時間をサポートできるように設計されています。

「(工藤)今回は親子向けの商品でしたが、どの商品でも考え方は同じ。トレンドや社会の変化に合わせて、お客さまが手に取るたびにワクワクするパッケージデザインを追求し続けたいです!」

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