トップバリュの商品が世に出るには、絶対に避けて通れない道があります。それが、新商品もリニューアル品も必ず受ける「モニターテスト」。社内の許可を得たのち、お客さまのシビアな評価を勝ち取った商品だけが商品化される仕組みです。
今回は、商品にとっての“最終関門”に編集部員が潜入!商品に対するシビアなジャッジが下される現場のリアルレポートをお届けします。
藤井さん
商品開発本部コーディネーター部。「消費生活コンサルタント」の資格も持つ、「お客さま視点のプロ」。
参加した編集部員
忖度なしの「モニターテスト」が本音を引き出す
とあるビルの入口。やや緊張気味の編集部メンバー4人(レッド、ピンク、ブルー、イエロー)が集まっています。
今日はトップバリュ商品が店頭に並ぶ前の”最終関門”、「モニターテスト」の現場に潜入します!
トップバリュの「モニターテスト」は、ターゲットとなる一般のお客さまを集め、ブランドを伏せた「絶対品質(味)」と、価格や容量を提示した「知覚品質(購入意向)」の2軸で評価します。原則としてこの評価をパスした商品だけが発売される、お客さま視点を貫くための仕組みです。
ビルの扉を開けると、今回の案内人、商品開発本部コーディネーター部の藤井さんが笑顔で出迎えてくれました。
ようこそ。「モニターテスト」を担当している藤井です。
藤井さんに導かれ、部員は会場へ。そこは、静寂と熱気が同居する不思議な空間でした。番号が割り振られたパーテーション付きのテーブルとイスが整然と並び、モニターの方々が黙々と目の前の試食品と向き合っています。
まずは、最初の関門である「絶対品質(味)」の評価が行われていました。
室内に並べられた各テーブルで、モニターさんが試食を行っている。
一言もしゃべらずに食べて、タブレットを操作していますね。この静かな迫力に圧倒されます…。
タブレットに書いてある説明文を読みながら、じっくり味わう。
自分の感覚だけに集中していただくため、会場内での会話は控えていただいています。この回では6品を評価していただくのですが、運ばれてくる試食品には、ブランド名も価格も一切書かれていません。「P」や「Q」という記号のみです。
これが、トップバリュが誇る「絶対品質評価(ブラインド評価)」。ブランド名や価格を一切公開せず、先入観を排除したうえで、純粋に「味」だけで勝負する評価です。
モニターさんが手を上げたら、スタッフの方が運んだり下げたりしていますね。会話をしなくていいし、すごくスムーズ!
食べ終わり、評価を終えたモニターさんは挙手。すると、担当スタッフが試食品の入れ替えを行うというシステム。
裏ではキッチン担当スタッフが、試食品を最適な状態で届けるべく綿密なスケジュールで作業しています。モニターさんを待たせることなく、スムーズに提供するために、調理と運搬を担当するスタッフの連携が重要です。
裏では調理担当スタッフが試食品を準備。それぞれの最適な提供温度などが細かく指定されている。
続いて行われるのが、最後の関門である「知覚品質(購入意向)」の評価です。
この場にいる全員で、試食品の「中身」と「モニターさん」との真剣勝負を全力でバックアップしているんですね!席の後ろにある棚には、パッケージが並べてあるんですか?
よく気づきましたね。味の評価が終わった後に、ブランド名、価格、容量、商品特徴の情報を全て開示して、「この価格と量なら、実際に買いたいと思うか」を判断してもらう「知覚品質評価(オープン評価)」のためです。棚に並べることで、商品の量やパッケージの形状もイメージできるようにしています。
オープン評価で棚に並んだ商品の大きさやパッケージを確かめるモニターさん。
なるほど。こうやって「実際に買いたいか」を改めて考えてもらうんですね。
トップバリュホームページ「モニターテスト」より引用
ちなみに、一度は「モニターテスト」をパスして発売した商品でも、リニューアルする場合は、改めてこの評価を受けるんですか?
そうですね。基本的に新商品やリニューアル品は「モニターテスト」を経て発売されます。
ただし例外もあります。改良につなげにくい生鮮品や味の評価が難しい調理素材、パッケージ変更のみの商品は対象外になります。
合格ライン「80%」が必須。厳しい意見を「商品力」に変える執念
「モニターテスト」における「ブラインド評価」の合格基準は70%以上の支持となっていましたが、2026年現在は「80%以上の支持」が必須となっています。
80%以上の人が「おいしい」と思わないと、「A判定」にならないんですね。
合格基準を「80%以上の支持」に引き上げた当初は、商品開発部門から「達成できるわけがない」という声も上がりました。しかし、「より妥協のない商品をお届けする」ためにこの基準を貫いています。
「A判定」がとれない商品はどうなるんですか?
再挑戦するパターンが多いです。モニターさんの「だし感が足りない」「素材の苦みが強い」といった具体的なコメントを分析し、開発担当にフィードバックもしますね。こうしたご指摘も、改良のヒントになりますから。
藤井さんは、あるペットボトル飲料の開発で、合格まで7回も評価を繰り返したケースについて話してくれました。
ええっ7回も!?どのような試行錯誤があったのでしょうか。
モニターさんのコメントを分析して浮かび上がった課題を開発担当へフィードバックしたり、商品コンセプトを丁寧にヒアリングしたりして、適切な対象者に、適切に評価していただけるよう工夫しました。私たちは役割上、客観的な評価をする必要があるので、特定の商品に思い入れを持たないように意識しているのですが、7回目でようやく「A判定」になった時は、本当に嬉しく思いました!
このように、「モニターテスト」は、単なる合否判定ではなく、お客さまの厳しい意見を改良に繋げ、トップバリュがお客さまに向き合い続けるための不可欠な工程となっているのです。
3人の精鋭が支える「品質の砦」
「モニターテスト」の設計・運営は、藤井さんを含めたわずか3人のチームで担っています。評価は毎週火曜・水曜に行われ、1回の実施で20件前後、多い時は50件を超える新商品やリニューアル品をモニターさんに評価していただきます。
「モニターテスト」の調査会社とはまさに二人三脚で、分単位のスケジュールを組んでいます。モニター募集の設計から設問のチェック、必要に応じて当日の立ち会いなど、密に連絡を取り合い、評価がスムーズに進むように連携しています。
全ては、お客さまにご満足いただける商品に仕上げるため。開発担当が自信を持って世に送り出せる状態にするためです。
トップバリュの「80%」という数字に込められた、お客さまへの誠実さを肌で感じました。
これからは店頭で商品を見る時、「これはあの静かな戦場を勝ち抜いたエリートなんだな」と感慨深くなりそうです。
トップバリュの商品は、モニターさんの正直な声という”愛のムチ”を糧に磨き上げられた結晶なんですね。
そうですね。私たちの仕事は、単なる「門番」ではありません 。開発者の「想い」とお客さまの「期待」を一致させるためのコーディネーターでありたいと思っています。全ては、お客さまに「これ、おいしいね」「また買いたいね」と笑顔になってもらうためですから。
「モニターテスト」にかける熱い想いが伝わってきました…!今日は本当にありがとうございました!
最後に、全員で藤井さんにお礼を伝え、会場を後にしました。明日から商品棚に並ぶトップバリュのロゴが、いつもより誇らしげに見えそうです。