「塩分を減らす」「煮崩れしにくく」人気商品でも甘んじず


おいしさに磨きをかけるため、年に一度のリニューアル。定番商品でも何らか課題はあるのでしっかり向き合います。

商品開発本部 デイリー商品部:村橋
お客さまにおいしく食べていただきたいという思いが原動力です!賞味期限の宿命にも向き合い続けます。
ご要望が多かったのは、塩分!
毎日の食卓に「あと一品」が欲しくなるとき、冷蔵庫にあると安心するのが、袋タイプのお惣菜。すぐに食べられるお店のお惣菜コーナーで販売しているものとは違い、日持ちしながらも手軽に使える、重宝する存在です。
そんな賞味期限の長い、ロングライフの袋タイプのお惣菜の中でも、『栗かぼちゃ煮』は10年以上にわたって愛され続けている人気商品です!

長持ちするだけでなく、“いつ食べてもおいしい”を支えるための小さな工夫や地道な見直しを積み重ねています。人気商品といえども、何かしらの課題が出てくるので、年に1回リニューアルすることを基本にしています。
今回のリニューアルにあたっては、「塩分が気になる」「崩れやすい」という声が寄せられていました。

まず、塩分を減らすだけだと味が物足りなくなってしまいます。そこで「うまみ」を大切にし、だしのコントロールで補強しようと考えました。もともと昆布とかつおの合わせだしにこだわっていましたが、さらに昆布だしの取り方を工夫しました。
うまみを引き出す昆布酒というのもありますが、料亭などで丁寧に昆布だしを取る際にお酒が使われることをヒントに、煮出す前の昆布を糖度がないアルコールに浸けました。しかし、その浸ける時間が長すぎるとえぐみが出たりするので、煮出す時間や温度の調整が必要です。かつお節とも異なるので、それぞれ別々にだしを取る必要があったりと、手間と時間がかかります。
それでも、昆布だしの取り方を変えたことで、味もさらによくなったと自信をもって言えます!
ロングライフでも煮崩れしないように
もう一つ「煮崩れするのが残念」というお声。かぼちゃは煮崩れしやすいので、なかなか難しいお題でしたね。賞味期限は60日間と長いので、その間も煮崩れなく食べられることを目標にしました。
まず変えたのは原材料のかぼちゃ。といっても品種をかえたわけではありません。糖度や硬さの選定基準があったにもかかわらず、実際の選定で明確に守られていなかったため、改めてその基準を守るよう徹底しました。強めに火を入るため崩れにくい硬さと原料の糖度を合わせていくという難しさはありますが、これまで以上に安定して形を維持できるようになりました。

さらなる決め手は、ごま油の保湿効果!
味の良さにも煮崩れ防止にも貢献してくれたのが「ごま油」。先ほど話したように硬さと火入れのバランスがあるんですが、ごま油を入れると表面がコーティングされて、水分を閉じ込めたまま、煮崩れせずしっかり火を入れることができるんですよね。ごま油の風味も加わって、形とうまみをキープできる、一石二鳥の策になりました!
発売前のモニターテストでも結果は上々。リニューアル前の商品と比べるテストでは、「おいしくなった」の声が多数!ほっと安心しました。
栗かぼちゃ煮のようなロングセラー商品にとって年に一度のリニューアルは、棚卸しのような、総決算のような、貴重な機会。担当者にとっても、お客さまの愛のムチとじっくり向き合い、それに応えるとてもよいチャンスだと思っています。
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