レトルトカレーは電子レンジ対応が主流になり、調理の手軽さが求められる時代になりました。しかし、「タスマニアビーフカレー」は、香りや食感を最大限に引き出すため、パウチごと温める“湯せん調理”での仕上がりを前提に作り上げています。より時間をかけた調理だからこそ味わえる、変わらぬおいしさが、多くのお客さまに長く支持されている理由のひとつです。なぜ発売時の味を守り続けるのか。精肉に20年以上かかわる肉のスペシャリスト、開発本部の西野がその“バリュ”を伝えます。
【バリュを込めた人】
「カレーを作ろう」ではなく、「肉のおいしさを届けよう」から始まった
最大のポイントは圧倒的な“肉”感
「タスマニアビーフカレー」は、総重量の3割が肉。そのため、他のレトルトカレーでは味わえないほど、ゴロっとしたお肉を楽しめます。ごろごろサイズのかたまり肉のうまみと、芳醇なスパイス感は、25年以上愛されるロングセラーに。この商品が生まれた原点は、トップバリュがオーストラリア・タスマニア島の自社農場で50年以上育んできた「タスマニアビーフ」にあります。
「(西野)発売当初の記録はさかのぼりきれなかったのですが、少なくとも25年以上前には誕生しました。きっかけは、“カレーを作ろう”ではなく、“タスマニアビーフをおいしく食べる方法”のひとつとして、でした。肉を食べているという満足感を重視した、レトルトの概念ではありえない商品だと思います」
それを証明するのがお肉の量です。タスマニアビーフカレー1袋に含まれる牛肉は、総重量220gの約3割にあたる「60g」(※)。お皿に移しても、肉の大きさが分かります。
※2026年3月時点
「(西野)この重量を守るため、肉は手作業できっちり検品・計量し、袋詰めします。工場での効率化が優先されるレトルト製造で、普通はここまでしません。担当になって初めて工場を訪れたとき、実際に見てびっくりしました」
また、肉の大きさや下処理も厳しく管理しています。
「(西野)肉のカットサイズは厳密に決められ、年に3~4回は私が現地で直接確認しています。ルウと合わせる前のボイルでは、余分な脂と臭みを落としつつ、肉本来のうまみと弾力が保てる温度に調整しています」
使用部位は、煮込みに最適なバラ肉です。
「(西野)赤身と脂身のバランスがいいバラ肉は、煮込むことで柔らかくなり、溶け出した脂がコクを生む。赤身のうまみが強いタスマニアビーフだからこそ、脂と溶け合って重厚な味わいになります」
赤身と脂のバランスがいいバラ肉を使用しています
25年以上、「肉が主役」のレシピを守り続ける
湯せんで温めて食べる方法も”不変”
25年以上にわたり不変のレシピを貫く「タスマニアビーフカレー」は、トップバリュにおいて“クラシックな名品”と呼ぶべき存在です。
「(西野)1996年ごろの発売から、レシピは一切リニューアルしていません。玉ねぎやトマトなど肉以外の素材は、甘みや酸味で肉のうまみを支える“裏方役“として仕上げています」
ベースとなっているのは、元ホテルシェフから受け継がれたと言われる本格レシピ。今も変える必要のない完成度を誇ります。
「(西野)8種のスパイスやトマトピューレに隠し味を加えた『黄金比』のレシピです。計量や加熱用の大きな窯に入れる順番まで守らないと味が変わるほど繊細。隠し味の白ワインと醤油というシェフならではの発想が、独特の酸味や奥深い甘みを引き出しています」
また、肉以外の材料は溶け込むぐらい煮込まれます。例えば炒めた玉ねぎなら、煮込む段階でちょうど溶けきる火加減に。これも肉のうまみや食感、スパイスの風味を引き立てるためです。
加えて、タイパ重視・電子レンジでの手軽さが重宝される現代でさえ、「湯せんで温めて食べる」という方法を推奨している点も“不変”です。
「(西野)より手軽さを意識したリニューアルを考えたこともありました。でも、電子レンジの加熱では、中の香り成分などが吹き飛んでしまう。このカレーの香りもしっかり楽しんでいただくには、やっぱり湯せんが一番なんです」
市場のレトルトカレーはレンジ調理の商品が増えているため、レンジ加熱向きの試作を行ったことも。しかし、試作品を食べたお客さまから「味が微妙に違う」「今のままでおいしいのに、変えないで」という声が多数寄せられ、“不変”を貫く要因になりました。
ゴロっとしたかたまり肉とスパイスの香りがたまらない1品。
タスマニアビーフの可能性を広げる新たな挑戦も
あくまで「肉を食べた満足感」を貫く
近年は、肉やスパイスといった原材料の価格が上昇。発売当時からは値上がりしていますが、商品に対するトップバリュの信念は揺らぎません。価格を上げないための工程見直しや製造効率化の工夫も並行して続け、できるだけお求めやすい価格で提供できるように取り組んでいます。
「(西野)コストを下げるために肉を減らしたり、味を変えたりすることは考えていません。品質を守りながら無駄を省き、安定した価格でお届けできるように努めています。肉を食べた満足感を、この価格で。トップバリュだからこそ実現できるこのスタイルを貫くことが、私の使命です」
一番人気の中辛のほかに、辛口タイプ、甘口タイプもあります。
伝統を守る一方で、タスマニアビーフのおいしさを活かす新たなカレーの構想も練っています。
「(西野)伝統と、新しい挑戦の両方を通じて、これからもお客さまに喜んでいただける一皿をお届けしていきたいですね」
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