野菜が厚さ0.1mmのシートになった!?【カラフルな野菜のシート】
登場人物
カラフルな野菜のシート
ペーストにしたオーガニック野菜から生まれたシート状の野菜。店頭に並ぶまでにおよそ4年もかかった苦労人。
商品開発本部グロサリー商品部:高田(以下、タカダ)
調理素材を作り続けて10年。乾物売り場を新しくできないか模索中。
およそ15年前のアメリカ、そこに野菜のシートの祖先がいた。
カラフルな野菜のシート
私はカラフルな野菜のシート。規格外のオーガニック野菜をペーストにして、シート状に乾燥させた今までにない野菜。こんな野菜見たことないでしょ?でも、私がこうやって登場するまでには長い道のりがあったのよ…
さかのぼること15年ほど前。アメリカでも日本の巻き寿司は人気だったが、海苔が苦手な人も多いことから、現地では大豆と野菜をペースト状にして乾燥させたシートが海苔の代わりに使われるようになっていた。
トップバリュの高田もアメリカで販売されているこのシート状の野菜を見て「これはおもしろい!」と販売に動いていた。しかし、
タカダ
商品の認知の低さやさまざまな輸入コストが見合わず、販売を断念せざるを得なかったんです。
も、もしや、今こそ野菜のシートをつくるときでは!
アメリカからの輸入を断念した後、2020年ごろに国内でシート状の野菜を作っている製造委託先との出会いが訪れた。
シート状の野菜は野菜の水分を取り除いているぶん栄養が凝縮されており、生野菜の数倍~数十倍の栄養価がある。高田は「健康志向が高まっている今に合っている商品かもしれない」と感じた。また、昨今ではタイパを重視して効率よく栄養を摂ろうという価値観もあり、シート状の野菜が受け入れられる土壌が整ってきたのでは…とも感じ、開発を決意する!
タカダ
一か八かだけれど、やってみるか!!
そして「カラフルな野菜のシート」(以下:野菜のシート)の開発がはじまった。
カラフルな野菜のシート
やっと私の良さに時代が追い付いてきたわね。でも、開発当時の姿って、今の私の姿とはだいぶ違うのよね。
開発がはじまった当初はまだシートというよりは薄いせんべいのようで、海苔のように巻くためには霧吹きなどで湿らせないといけなかった。
これでは使いづらく食感も良くない。理想の柔らかさにするために製造委託先との試行錯誤がはじまった。水分が多すぎると腐敗しやすくなってしまい、乾きすぎると使いづらい、ちょうどいい塩梅を見つけるために、水分量や乾燥方法などの地道な調整を繰り返していった。
理想の形状になるまでに気付けば3~4年も費やしていた。そのかいもあり、水で戻さずにそのまま使えて2年間保存がきく、食感もしっとりしており格段に良くなった!
シート状にするだけがゴールではないぞ。
カラフルな野菜のシート
ちょっと!私の見た目ばっかり注目してない?私、オーガニック野菜からできているのよ。しかも規格外のオーガニック野菜だからとってもサステナブルなの。
もともと製造委託先の意向で規格外の野菜を使うことは決まっていた。ペースト状にしてしまう野菜のシートであれば、味は問題ない規格外の野菜を生かすことができる。中でもオーガニック野菜を使おうと高田は考え、野菜はすべて規格外のオーガニック野菜を使用した。
増粘剤や増粘多糖類を入れれば、もう少し柔らかく伸びるようにすることもできるが、今回は使わずに、素材のそのままの味を楽しむことを大事にしたかったのだ。
タカダ
お子さまやアレルギーを持っている方でも楽しく安心して食べられることを大事にしたかったんです。
ラインナップはにんじん、たまねぎ、かぼちゃ、トマト、ほうれん草の5種を用意。柔らかいのでお子さまでも噛み切りやすく、噛むと野菜の凝縮された甘みが広がる新しい感覚だ。
中でもほうれん草には醤油と味噌の味が用意されている。ほうれん草は栄養価が高いけれど、独特のえぐみが苦手なお子さまも多い。しかしシート状にして味を付けることで、味付け海苔そっくりな風味になっている。えんどう豆を使ったアレルギーに対応した醤油と味噌を使っているので、アレルギーを持っているお子さまでも安心して食べられる。
カラフルな野菜のシート
ふふふ、私が野菜だって知ったら、子どもたちもビックリするかもしれないわね。
エピローグ~商品づくりを振り返って~
タカダ
まだまだ日本では馴染みのない食品ですが、生野菜よりも栄養価が高いので野菜不足の解消にもなりますし、保存もきくので防災用のローリングストックとしても活用できる!これからの暮らしに合った新しい野菜の取り方を提案していける商品ができたと思っています。
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