“もったいない”からじゃない?生産者や環境に本当にいいコト

収穫時に親芋・子芋・孫芋がひとつに連なっている里芋。その中でも固く調理に不向きな親里芋は廃棄されると知り、親里芋を使った商品を開発。そこには「もったいない」だけではないバリュがありました。

【バリュを込めた人】

商品開発本部デイリー商品部:村橋

商品開発本部デイリー商品部:小野

会議室の中ではわからないリアルな価値

収穫したての里芋はじつはこんな形。親芋は子芋・孫芋に養分を送るため、固めの食感になります。

見方が変われば、短所が長所に!

開発担当・小野の親里芋への最初の印象は「これ、どう使えばいいのか…」。SDGsやサステナブルへの関心が高い小野は農産部から紹介された“廃棄される親里芋”に興味津々。活用を試行錯誤したものの反応がイマイチで途方に暮れていました。
「(小野)でも自分が担当をしていたお粥に良いかもと気づいて。あと私は純文学が好きで“まるで小説の『芋粥』じゃないか!”って(笑)」

いざ開発がはじまり気づいたのは、親里芋のサクサクした食感の魅力。
「(小野)煮物も試してみましたが、お粥や汁物だからこそサクサク感が際立って、社内の会議でも好評でした」

そんな小野を見つめながら、ちょうど冷製スープを作りたいと考えていたのがデイリー商品部の村橋。
「(村橋)ビシソワーズのようになるかもと思い親里芋を使ってみました。里芋の甘みを生かしながら粘りはあまりなく、じゃがいものような食感もあるハイブリッド的な感じが “意外にイイかも”と感じました」
そして親里芋を使用したお粥とスープ、それぞれの開発がスタートしました。

いちばん知っているのは現地の生産者

「(村橋)はじめ親里芋のことを聞いたときは“ふ~ん、捨てられているんだ”くらいの印象だったんです」
しかし、里芋を一次加工している現地の生産者に話を聞いていくうちに、徐々に印象も変わっていきました。
「(村橋)畑を見たり、生産者さんから1/3は廃棄されると聞くと“本当にもったいないんだな”と実感したんですよね」

「(小野)実際産地に行ってみて、現地の生産者さんに親里芋の使い方を教えてもらえたことも大きかったです」
生産者の方々はもったいないからと、スープや唐揚げにして食べている姿を目にしたことで、より商品化に現実味が帯びてきました。
「(村橋)産地の方たちはおいしく食べているのに、調理に不向きだからと捨てられるのは、本当にもったいないですよね」

“もったいない”ではなく、“おいしくなるのに”

食感を生かすために、カットの仕方・大きさなども試行錯誤を繰り返しました。

親里芋の良いところとは? ひたすら試作の日々

「(小野)商品化にあたって、まずは親里芋の食感を生かすこと。そして食べることによって身も心も癒されるお粥を目指しました」
食事としてちゃんと満足できる“一食完結型”にしたいと小野は考えていました。そのためにごはんと親里芋のバランス、親里芋の大きさやカットの仕方、麹を加えて食感をアップさせるなど、工夫を凝らしました。

シェフも認める味は親里芋だからこそ

「(村橋)ポタージュで重要なのは“なめらかさ”なんですよ。均一になめらかにするのがいちばん難しかったです」
親里芋のシャキシャキ感を生かしたお粥と対照的にするために、スープはなめらかさを重要視していました。なめらかさの決め手は親里芋をすりおろす目の粗さ、材料を混ぜ合わせる加減、温度などのさまざまな要素の掛け合わせで決まります。一流のお店でもスタッフがかかりきりで行うほど地道で難しい作業、試行錯誤を重ねた結果
「(村橋)このポタージュについて、テレビ番組でフランス料理のシェフに“ポタージュのなめらかさを実現するのは私たちでも難しい。これは本当においしい”と評価いただけ、開発者冥利に尽きました!」」

“おいしくなるのにもったいない”食材は、まだまだ全国各地に眠っています

“もったいない”ありきではなく、“おいしくなる”ありき

「(村橋)“もったいないから”と聞くと、まずどうにか生かさなきゃと考えてしまいますが、それだと失敗することが多い」
「(小野)会議でも“使わないといけない食材”ありきで作るな」とよく言われています」

適さない食材を無理に使った結果、商品が売れなかったとなると、作ってくれた生産者にも迷惑がかかってしまう、それではアップサイクルとは言えないからです。
「(小野)私たちは“もったいない”ではなく “商品に合いそうな食材”を入り口にして捉えるようにしています」
「(村橋)“廃棄される食材だから安くなるだろう”ではなくて、商品に適した食材だからおいしい価値が生まれる、だから適正価格で生産者にも還元できる。生産者にもお客さまにも私たちにもうれしい価値にするのが、本来のアップサイクルだと思います

日頃から「原材料を無駄なくおいしく使いきるためにできることはないか?」と議論を重ねていたことと、トップバリュが幅広い商品を手掛けており、さまざまな原材料を取り扱っていたことで、親里芋を商品化することができました。トップバリュでは「どうやったら“おいしく”使い切れるだろうか?」「この食材に適した商品は何だろう?」と知恵を絞りながら商品づくりを続けています。

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