目指したのは、家族が一緒においしく食べられる冷凍食品

特定原材料8品目に配慮した「やさしごはん」。待望の冷凍食品が2024年6月に発売されましたが、そこにはアレルギー対応にとどまらないバリュがありました。

【バリュを込めた人】

商品開発本部 デイリー商品部:矢川

商品開発本部 デイリー商品部:志賀

ブランドコミュニケーション本部 コミュニケーション部:田原

ブランドコミュニケーション本部 ブランドマネジメント部:村杉

アレルゲンが入っていない商品を作ろうとしていたワケじゃない

新たに冷凍商品8品目が加わった

「みんなで一緒に食べられる」それが難しい家庭がある

2024年6月、特定原材料8品目に配慮した“やさしごはん”シリーズに冷凍商品8品目が加わりました。じつは最初から、“やさしごはん”の冷凍タイプを作ろうと取り組んだわけではなく、「夕食のメインになる冷凍食品を作ろう」というのがはじまりでした。コロナ禍前、冷凍食品はお弁当のおかずで使われることが多く、夕食のメインに冷凍食品というのは手抜きしていると罪悪感をもつということがまだまだありました。

コロナ禍で家食が増え、それに伴って冷凍食品が夕食のメインの選択肢になってきたこともあり、家族みんなが喜ぶ夕食のメインになる冷凍食品の開発に取り組みました。「家族みんなが喜ぶ、みんなで食べられる」ということを突き詰めていくと、アレルギーがある人も一緒に食べられる、誰が食べてもおいしい商品が必要だと考えたのです。

アレルギーがあると、同じ食卓で一人だけ違うものを食べる寂しさ、味よりアレルゲン対応を優先しなければいけないなど、とてもシビアな現実があります。だからこそ
「(矢川)大切なのは、誰もが一緒においしく食べられる冷凍食品のひとつに、アレルギー対応の商品があること。アレルギーがあってもなくても、おいしさ、楽しさ、手軽さが感じられる。それが本当に届けたい形でした」

アレルギー対応食品はおいしくないけど、他に食べるものがない

商品を考えるにあたっては、まずは当事者のお声を聴かなければと、アレルギー患者の会の方にたくさんヒアリングを行いました。いちばんに出てきた意見はアレルギー対応食品は「おいしくない」という声。でも、他に食べるものがないから仕方なく食べるという実情が浮き彫りに…
「(志賀)食べることに制限を受けるということを自分に置きかえると、アレルギーを持つお子さまやご家族の悩みや苦労が想像以上に深いものだと気が付きました


ほかにも「個包装の商品が少ない」といった声も多くありました。個包装になっていない商品だと、開封して家庭内で保存している間にアレルゲンが付着する可能性があるので、食べきれる量が個包装になっているということが意外と大切なことだと気づかされました。今までの“やさしごはん”シリーズには、主食系が少なかったことや、お弁当のニーズも高いこと、持ち運びがしやすい部分もポイントであることが分かり、商品ラインナップも徐々に固まっていきました。

厚労省の基準よりも厳しいトップバリュ基準

製造委託先を探すのは至難の業

安心して買ってもらえる。まずはこれが最優先!そのために
「(志賀)トップバリュでは以前から独自の基準を設けていました」

・特定原材料8品目の持ち込みのない隔離された専用区域で製造。
・原料の規格書を厳しく審査し、アレルギー物質の検査(特定原材料8品目)を実施。
・商品出荷前に安全性を確認するためアレルギー物質の検査(特定原材料8品目)を実施。

この基準は厚労省の定める基準よりもさらに高い。そうなると、そもそもアレルギー対応品が作れる製造委託先の中で、トップバリュ基準にのっとって製造してもらえるところを探さなくてはならない、それはそれは至難の業。
「(志賀)本当は作りたい商品は山ほどあるのだけれど、どうしても作れるものが限られてしまう」
商品開発担当としてはジレンマを感じるところではあったのですが、まずは、自然解凍でも食べられるパン3品目に加え、あらびきドッグ、肉まん、ミニハンバーグ、ポークウインナー、ミートボールなど、お子さまに人気のメニュー計8品目をラインナップすることに。もちろん、これからラインナップを増やしていくことも目指しています。

いちばんよく見られているのは、表面ではなく裏面

アレルギーを持っている方がいちばんじっくり見るのがパッケージの裏面。どんなアレルゲンが入っているのか、どういう製造ラインで作られているのか、自分や家族が安心して食べられる商品なのか、を確かめるためです。アレルギーがない人にとってはじっくり目にすることが少ない裏面が、アレルギーを持っている方にとっては自分の命を左右する最重要情報なのです。


「(村杉)実は、アレルゲンの表示に関しても、トップバリュでは食品表示法よりも詳しく記載するトップバリュルールがあって、しつこいくらいに表示しているんです」
トップバリュでは、安心して食べられる食品を探しているお客さまのために、法令で表示が義務付けられている特定原材料8品目だけでなく、特定原材料に準ずるもの(20品目)についても表示を行っています。この裏面表示を作るにあたっても、製造委託先や工場に赴く商品管理担当と密に連携して表示を作る必要があったので
「(村杉)パッケージが確定するまで、この表示で大丈夫なのか、ずっと確認しあっている状況でしたね」
「(矢川)村杉さんは控えめに言っていますが、相当大変だったと思いますよ」


裏面は必要な情報を正確に伝えないといけないが、パッケージではお子さまの食べる楽しみも大切にしたかった。冷凍パン3品目についてはパッケージや個包装の袋にディズニーキャラクターをあしらい、おやつやお弁当として持ち出した時にも喜んでもらえるようにしています。

商品を届けること、届け続けること

まずは食べてもらうのがいちばん、でもどうやって安全に提供するか

「(田原)アレルギーに対してお客さまの理解は深まっている部分もあるが、やっぱり情報が届くのが難しいな」というのが本音。アレルギー患者さまの中には「アレルギー対応商品が手に入る場所がなかなかない」という言葉もまだまだ聞かれます。こういう商品があるということを知ってもらうことも、更にやっていかなくてはいけません。その気持ちから、冷凍シリーズについてはイオンマーケットで店頭試食販売に挑戦しています。

イオンマーケットが「お客さまの困りごとに対応することに意義がある」とご賛同いただけました。絶対に事故を起こさないために2時間に及ぶ徹底した清掃に加え検査キットを使った点検を行ったのち実現することができ、実際にお子さまがアレルギーを持っているという方が購入してくださったり、アレルギーがない方でも試食しておいしさに気づいてくださったり、評判は上々。お客さまがいつでも購入できるようにするためには、継続して店頭に置いてもらわなければならない。
「(志賀)店舗の方に商品を理解していただくための努力も続けていきます」

アレルギーがある人もない人も一緒に食事を楽しめるように

「(矢川)私の知人のお子さまも7大アレルゲンすべてが食べられなくて、食卓には常にごはんが二種類、外食に行けるのは回転寿司だけとのこと。林間学校のときに夕食用のお弁当を届けに行ったこともあると聞きました」
すべてのお客さまの暮らし課題に応えるために、特定原材料に配慮した“やさしごはん”シリーズがスタートしたのが2016年。立ち上げたときは、「災害時に食べられるものがない」「普段の生活でも食事に制限がある」というお客さまの現実に対して、トップバリュがやらねばという気持ちがあった。
「(田原)“やさしごはん”シリーズを立ち上げるときは、全国の店舗で販売できるかもわからない、売れるかどうかもわからない、けれど必要な人がいるからやってみようという感じでした。その取り組みをこうやって続けられていることはトップバリュだからかもしれません 」

“やさしごはん”の冷凍シリーズはこちら

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