里芋の「親」?何者なんだ!【もったいないをおいしくシリーズ】
登場人物
親里芋
愛媛県の畑で生まれ、捨てられそうなところを奇跡的に生還。
商品開発本部デイリー商品部:村橋
主菜の開発を担当、最近は「もぐもぐ味わうスープ」シリーズも手掛けた。
商品開発本部デイリー商品部:小野
副菜の開発を担当、SDGsやサステナブルに関心が高い。
ある日、里芋の「親」が現れた!
親里芋
私は親里芋。私から育っていった子芋や孫芋たちは、コロコロと立派な里芋になって収穫されていったわ。もう私の役目は終わったわね、捨てられるのも時間の問題。でも、いいの、もう覚悟はできてるわ。
が、そこに光がさした。産地の人たちが親里芋を捨てずにいてくれたのだ。
「あら、ラッキーだったわ、これでひと息つけるわね」
産地の人々は親里芋をごしごし洗い始めた。
「イタタタ、もっと丁寧に洗ってちょうだい」
親里芋は固く調理しにくいので、普通は捨ててしまうが、もったいないので産地の人たちはスープや天ぷらにして食べているのだ。
東からの使者、村橋・小野が仲間に加わった。
トップバリュからきたという2人は、1,000平米の畑から約1tの親里芋がとれ、そして捨てられている姿を見て「もったいない」と口にしていた。それと同時に、産地の人々が工夫してスープなどに使っている様子に、村橋と小野は何かヒントを得た様子だった。
親里芋
あら、私たち親里芋ってそんなに珍しいのかしら。
そして、村橋と小野が親里芋を使ってお粥とスープを作りたいと仲間に加わった。
商品開発本部デイリー商品部:小野
これが捨てられていた芋?何かに使えそう!
SDGsに興味があり豊富な知識も持っていた小野は、親里芋に興味津々。試験的にそのまま店頭で売ってみたこともあったが全く売れなかった。そこで、思いついたのは自身が開発担当をしていた“お粥”に使うことだった。親里芋の食感が活きるのではと思ったからだ。
親里芋
そう、私って里芋なのに、食感はシャキシャキしていてじゃがいもみたいなの、ギャップあるでしょ?
麹を加えてまろやかにし、親里芋をワンスプーンで食べられる大きさにカットするなど、親里芋を使ったお粥は次第に形になっていった。
商品開発本部デイリー商品部:村橋
やっぱり産地に行くと発見があるな!本当はもう一回ぐらい行きたかった。
村橋は担当している「もぐもぐ味わうスープ」シリーズで新たに出す冷製スープの壁と戦っている最中だった。「冷製スープといえばビシソワーズだ」と思っていたが、この親里芋を使ったらおもしろいスープができるかもとひらめいた。試してみると、親里芋独特の甘みがスープにマッチしそうだった。里芋だと出てしまったであろう粘り気もなく「これはイケるかもしれない」と村橋の目は輝いた。
親里芋
あら、わかってるじゃない。私って、粘り気は少ないけど、里芋独特の甘みはちゃんとあるのよ。
理想の舌触りにするために混ぜるスピードや温度を調整する日々が続いた。
このお粥とスープにはキミが必要なんだ。
村橋と小野の頭の中には、常に師匠(上司)が言っていた「食材ありきで作るな」があった。この食材をなんとか使えないかと発想するといいものは作れない。しかし、親里芋は私たちの商品に必要な大切な仲間だと確信していた。試作を繰り返していくほど、冷製スープとお粥には親里芋のアクセントが欠かせなくなっていたからだ。
親里芋
ありがとね、でも、むやみに安くはしないでちょうだい。もともと捨てられていた芋だけど、私たちにはちゃんとおいしいという価値があるんだからね!
そして審判の日、トップバリュの商品は発売前に必ずモニター審査が行われる。結果は小野のお粥も、村橋の冷製スープも一発合格となった。
「食感が好きってコメントが多くてうれしくなっちゃったわ」
晴れてふたつの商品は「もったいないをおいしく」シリーズとして店頭へ旅立っていったのだった。
エピローグ~商品づくりを振り返って~
商品開発本部デイリー商品部:村橋
産地の人がいちばんおいしいものを知っているんですよね、おかげでおもしろいスープができたし、産地の方も喜んでくださってよかった。
商品開発本部デイリー商品部:小野
本当に現地に行くと発見がありますよね。里芋じゃなく親里芋だったから「濃くなりすぎず食べやすい」といった声もあって、親里芋を使ったことが功を奏しました。
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